スタートレックのオタクが放送大学で理数系の基礎教養を学んだ話

卒業しました

2021年3月で自然と環境コースを卒業しました。6年間在学しました。
どなたかのお役に立てばと思い、記録を残します。
動機の部分はただの長い自分語りなので、情報だけ得たい方は適当に飛ばして先に進んでください。

 

高卒からのスタート

まず私について簡単にお話しします。
現在アラフォーで、放送大学には30代半ばで入学しました。
高校は普通科ではなかったので進路は推薦枠の大学か専門学校に進学する気でいたのですが、興味の方向が複数あり選びきれないでいるうちに、学費の桁と待ち受ける更なる貧乏生活に怖気づいて、進学をやめ目の前のお賃金に飛びつきました。いつかお金を貯めて、候補だった方向のいずれかの学校に行こうと思っていました。
高卒で就職した会社を早々に離れて別の道に進み、紆余曲折ありましたがあれやこれや幸運が重なり、現在は子供の頃になりたかったもののうち一番現実味のなかった職種の会社員として働いています。

映画やドラマなどの鑑賞を心の潤いとし、中でもスタートレックが大好きです。ドハマリしたのはJJのリブート2本目からなので歴は浅いですが、そのまま初代ドラマ版(TOS)を観て以後どっぷりです。

すぐに過去作を当たりに行く辺りに少し表れていると思いますが、私は調べるタイプのオタクです。
作中で言及されたことや時代背景などが気になると、検索してWikipediaを読みに行き、更に中の用語のリンクを踏んでは飛び、時間を忘れて延々読み続けるループによく嵌まり込みます。
SFのジャンルでは、現実で可能な部分とフィクションの境に思いを馳せて楽しむ遊び方をするのですが、この分野は「分からない部分を更に調べても分からない」が度々発生し、自分の科学の基礎教養を底上げする必要を感じていました。

ドラマ視聴時間とWikipediaサーフ時間の置き換え

入学を決める前の年、私はあるひとつのことをやり遂げました。
推しが主演しているが、国内盤の発売がなく輸入盤しかない(=英語で観るしかない)ドラマを、シーズン5の完結まで観終わったのです。

ここまでは、好きな作品を観るために、また、好きな作品や推しの情報を追いかけるために、映像作品を楽しむ時間を少し割いて英語の勉強をしてきました。そんなに勤勉な方ではないのですが、海外エンタメジャンルは英語が分かると分からないでは得られる情報量が桁違いなのです。
推しの供給に触れたい一心で勉強は大きくはかどりました。こうなる前も英語学習はしていたのですが、この原動力を得るまでの歩みの遅さと比較すると、我ながら呆れるほどの進歩がありました。

英語の勉強を一段落して、次のことに取り組んでもいいかな、と思いました。

せっかく時間を使うなら、何か成果が形に残るものになればと貧乏根性が頭をもたげ、資格試験か通信制の学校の方向で検討しました。
うっすらと、やっと大学に行くタイミングが来たのではという気がしていました。

しかし通信制大学は文系の学科が多く、文章を書くのは大の苦手な自分が大量のレポートの嵐を乗り越えられるイメージは全く湧きませんでした。一方で、芸術系の通信は作品を作る時間を確保するのが今の生活では現実的ではないし、スクーリングは遠い。学費も高い(当時はまだ手のひら芸大はありませんでした)。
もうちょっと現実的なラインはないのか……と調べるうちに、放送大学の放送授業がいつの間にやらストリーミング配信で見られるようになっていたことを知ったのです。https://app.journal.ieice.org/trial/100_11/k100_11_1203/index.html によれば、2007年から始まっていたようです)
以前にも通信制大学を検討したことがあったのですが、その頃の放送大学は放送を録画するのが基本、それができなければセンターで視聴する形での学習でした。

そんなに便利になっているのなら、可能かもしれない。
具体的に考えてみました。通勤電車で英語学習とドラマ視聴していた時間を授業の視聴にあて、Wikipediaでぐるぐると調べ物をする時間を印刷教材を読んだり試験勉強をする時間に少し分ける。余暇全部を費やしたら気持ちがやっていけないから、週4-5本ぐらいで、そうすると124単位から面接授業除いた104単位をとるには6年……。

こなせそうなイメージが沸いてきました。

取るか、単位……。

自然科学の勉強ができる通信制は少ない

なぜ放送大学が候補に入っていたのか。理由は学習できる内容にあります。
教養学部教養学科の単科大学ですが、コースがいくつか用意されていて、「自然と環境コース」に属する科目では、数学・物理学・化学・生物学・地学・天文学の分野を学ぶことができます。
スタートレックに刺激され科学方面の興味が再燃していた自分にはまさにぴったりでした。
研究者になりたいわけでも仕事に必要なわけでもない、世のエンタメを楽しみ科学の発展を共に喜ぶために、専門書が読めるぐらいの基礎知識まで到達するのが目標である自分にとって、これらの分野の勉強をすることで更に学士が得られるなんて、こんな一挙両得なことがあるでしょうか。

通信制大学には理系分野は少なく、あってもほとんどが情報系か医療系(の現場で働く人のための補助講義)で、自然科学を学ぶことは難しいのが現状です。
実験や研究の都合を思えば当然といえば当然ですが、とはいえ理数系の分野は高校の学習範囲の先にもまだまだ新たな知るべき前提知識があります。研究以前の、基礎の座学の部分だけでも出来たらいいのにという部分を叶えてくれているのがこのコースと言えるのではないでしょうか。
(なお、自分は見送りましたが、希望すれば卒業研究という形で研究の指導を受けることも可能です。)

余談ですが、世間に売られているこの分野の書籍は、どうも『高校までの知識でわかる云々』『数式を使わずわかる云々』のような科学読み物と、教科書や専門書・学術書との間にものすごい距離があるように感じています。中間がなかなかありません。
自分は、「『わかる』系読み物」のつまみぐいで終わるのではなく、もう少しだけ先を知りたかったのです。
ここを独学で追いつくには体系的なアプローチが必要で、大学のシラバスをみて指定教科書を学ぶなどの手段になるのでしょうが、そこまでの労力をかけるなら、何か残る形になったほうが、ネ……。

単位取得の流れ

年間、前期後期の2学期制です。
主となる「放送授業」は、45分の映像/ラジオを全15回視聴し、印刷教材(教科書)を読んで取り組むのが基本です。中間に課題提出、期末に単位認定試験があります。試験で60%とれれば合格です。ほとんどがマークシートの選択式ですが、一部記述式の試験もあります。
他には、もっとこまめに課題提出がある「オンライン授業」(スクーリング扱いになる)や、学習センターに行って受ける「面接授業」があります。
1年次入学だと20単位のスクーリング(面接授業)が必要です。今はオンライン授業のみでも何とかまかなえるようですが、数は十分ではないのでその場合は自コース以外の授業もとることになります。自分の入学後に始まったのですが、最初は数も少なく、まだ補助の段階という印象でした。
学習センターに行けるなら、面接授業おすすめです。結構楽しいので。

期末の単位認定試験は所属の学習センターで受けます。自分は大きめのセンター所属なので、行くたびに「こんなに大勢の人が勉強してるんだなあ」とよい刺激になります。年配の方が多い印象ですが老若男女さまざまな方がいて、試験期間中は教室はフルで使われ人でいっぱいです。
試験日に直接足を運ぶ必要があるため、科目の選択は日程の都合から逆算して決めたりもします。あまり試験日が多くならないように同じ日のものから選んだり、時間が連続しないようにしたり、逆に開きすぎないようにしたり……。
なお、コロナ禍下の現在は、例外的に自宅受験になっていて、家に送られた用紙を使って試験期間中に回答し、返信用封筒で郵送する形がとられています。

勉強の進め方

自分は、まず映像を視聴し、印刷教材にざっくり目を通して放送と違うところがあれば読み、試験前に印刷教材を参照しつつ過去問(前2期分は公開されている)をやる、という流れを基本に学習を進めました。
ラジオ科目の場合は耳だけでの理解が自分には難しかったので、印刷教材を目で追いながら聴き、書き込んでいくことが多かったです。

難しい科目は、ノートを作ったり、iPadのノートアプリにスクリーンショット(今はとれなくなりました)を貼りながらまとめたりしましたが、かけられる時間との兼ね合いを見ながら進めました。

試験の難易度はまちまちで、全くの無勉強でも日本語が読めれば正答できるのでは?という科目もあったりするのですが、それでも最低限放送をひと通り視聴するのが礼儀かなと思って……(個人の考えです)。試験はあくまでも仕上げの確認なので。
逆に数学系などは、さらっと視聴しただけではまず無理です。ちゃんと手を動かして練習しました。結構な時間がかかりました。

科目を選ぶときに、過去の試験問題を見て、半年の学習後にできるようになっていそうかどうかをイメージして判断したりするのですが、この段階でイマイチ意味がわからなかった問題が、授業視聴後に見たときには「わかる。何を言っているかわかる」と変化するのは毎度ながらちょっとした感動です。

勉強した科目

シラバス案内に科目選択の参考になる「履修科目案内図」というのがあり、「自然と環境コース」はこんな感じなのですが、(画像は2020年のものです)

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この「コース科目」の部分をおおむね下から上までごっそり取りました。
(入れ替えが頻繁なので、途中でなくなったものや追加になったものなどもあります)

難易度は私の個人的な印象になりますので、参考までに自分の各分野の初期条件です。

数学:
物理のためにできるようになりたい。
高校では睡眠時間だった。Ⅲまでとったか覚えていない。

物理学:
宇宙のことを知りたいし、化学の行き着く先としても興味がある。
計算や式変形も逃げずにひととおり触れてみたい。
高校ではとっていない。全くの初学。工業数理でちょろっと近いことはやったっけ?

化学:
高校で化学科だったので馴染みはあるけど所詮高校レベルに毛が生えたぐらいだし、その後20年弱触れてない。

天文学
スタートレックを楽しむために、もっと知りたいな、きみのこと。

生物学:
気持ちとしてはおまけだけど割と好きなのでついでにとる。
子供の頃『家庭の医学』が愛読書だった。からだのしくみ読み物大好き。

以下、科目ごとの雑感です。
ところどころ弱音が出ていますが、基本的には楽しく取り組みましたので末尾に(楽し~~~っ)とでも追加してお読みください。

 

【放送授業とオンライン授業】
[数学系]
・初歩からの数学(’12)
・入門線型代数(’14)
・入門微分積分(’16)
・数学の歴史(’13)
統計学(’19)
・解析入門(’14)
微分方程式(’17)
線型代数学(’17)
・非ユークリッド幾何と時空(’15)

大変でした。めちゃめちゃ大変でした。
捻った問題は出ませんが、とにかく計算問題を6割解けないことには試験が通りません(当たり前体操)。 試験に出る式だけでもとにかく解けるようになるしかないです。
試験で苦労しなかったのは「入門線型代数」と「統計学」ぐらいじゃないでしょうか。(「数学の歴史」は計算がないので別として)
まず「『初歩から』に嘘はないけど小学校から大学に足を踏み入れるまで15回で駆け抜ける」と噂の「初歩からの数学」は何とかなったものの、やはり高校範囲部分の練習量が足りず、のちの科目で、本文ではない部分のできる前提で出てくる式変形などに苦労することになったので、受験生用の問題集に別途お世話になりました。(解法の充実したものを選んで、数Ⅱ+B、数Ⅲと2冊やりました)
線型代数は「入門線型代数」と「線型代数学」で難易度が大きく違いますし、「解析入門」は入門という文字を信用すると痛い目を見ます。
微分方程式」は、初回準備不足で棄権、再試でも落ち、次期に再度登録してやっと合格しました。(でも勉強の甲斐あって&出題不備ボーナスによりⒶをもらいました)
「非ユークリッド幾何と時空」は、授業の内容は難しいのですが、先生の語り口調が面白く、閉講が惜しまれます。試験は記述だし難易度ナンバリング最高レベルだしで恐る恐る挑みましたが、試験問題はそれほど難しくなく印刷教材持ち込み可だったので何とかなりました。

あと、数学系をラジオ科目にするの本当勘弁してください。

答えにたどり着けなくて何処でつまづいているのかすら分からなくても周囲に聞ける人がいないので、途中マセマの参考書やヨビノリさまの動画や「高校数学の美しい物語」サイトには大変大変お世話になりました。ありがとうございました。

試験の話ばかりになっているあたりでお察しですが、とても使いこなせるレベルには到達していません。ですが、物理など他の分野で出てくる式が、『全く何をしているのかわからないどころか記号も見たことがない』段階から、『とりあえず何であるかは見当がつき調べるあてが思いつく』に変化したのでよしとすることに。折に触れて復習して身につけていきたいです。

[物理学系]
・初歩からの物理学(’12)
・物理の世界(’11)
・力と運動の物理(’19)
・場と時間空間の物理(’14)
・量子と統計の物理(’15)
オンライン
・物理演習(’16)

授業でやっている内容は難しいのに、試験はこんな間違い探しクイズみたいな問題でいいんだろうか……と思っていたら先生が変わってからあれよあれよと演習のオンライン科目が追加されました。(そうですよねやっぱりいいわけないですよね。)
とはいえ、上の方の科目は難易度激ムズの間違い探しクイズになります。
オンライン「物理演習」は力学の演習で、ひたすらノートをとって計算して小テストを埋めないと先に進めず、中間と期末は手で解いてPDFのレポートにして提出します。結構容赦ないですが、いい経験になりました。
「量子と統計の物理」は最終学期に再試験になったのですが、このまま取れないんじゃないかと不安だったので、取れなくても卒業単位に到達するように科目登録しました。(結果幸いにして取れたので、修得単位は2つ余分の126となりました。)

[化学系]
・初歩からの化学(’12)
・基礎化学(’11)
・生活と化学(’14)
化学結合論-分子の構造と機能(’17)
・化学反応論-分子の変化と機能(’17)
エントロピーからはじめる熱力学(’16)
量子化学(’19)

昔とった杵柄で幸いそんなに苦労しませんでしたが、「エントロピーからはじめる熱力学」から先はなかなかの手応え。試験の前半のお決まりサービス問題を勘違いでごっそり落としてしまって、成績で残念な思いをしました。(いっそのこと落ちてくれたら再挑戦できたのに、他が割と出来てしまってギリで通ってしまった)。
量子化学」は量子力学とはいえ原子分子まわりに絞られてるので物理の方よりは勉強しやすい印象でした。

[生物系]
・初歩からの生物学(’14)
・生物環境の科学(’16)
・生命分子と細胞の科学(’13)
・生物の進化と多様化の科学(’17)
・動物の科学(’15)
・植物の科学(’15)

元々幅が広い分野であることを考えるとそんなに深いところまでは扱えないのだろうなという想像どおり、本当にざっくりと概要にふれただけの印象ですが、それぞれ大変興味深かったです。生物学をやろうと思って入ると物足りないかもしれない。そんな感じなので、試験はそれほど苦労しませんでした。

[地学・天文学系]
・宇宙を読み解く(’13)
・ダイナミックな地球(’16)
・はじめての気象学(’15)
・宇宙とその進化(’15)
・太陽と太陽系の科学(’18)

宇宙は最後のフロンティア。
この分野もつまみ食いはしやすくても体系的に学ぶ機会が少ないものなので、これからの学習の改めてのガイドラインとして概観できてよかったです。
「はじめての気象学」は、お天気が身近であるためか他コースの人にも選ばれることが多いようで難しいという声があがりがちだったのか、難易度ナンバリングが来年からひっそり上げられていてちょっと可笑しかったです。コース民なら難しくないと思います。♪はじめて~の~ き~しょ~ヲ~が~く~~~

[そのほか面白かった科目]
ラテン語の世界(’16)
外国語科目扱いではないのですが、第二外国語のつもりで取りました。オタクライフの役に立ちそうだなと思って。試験は5択のいつものマークシートなのに「答えを3つ選べ」とかあってかなり変わってました。閉講で今は無いのが残念です。
・錯覚の科学(’14)
番組を見るだけでもかなり面白いので全学生どころか全人類に超おすすめです。

 

【面接授業】
幸いなことに所属のセンターは開講数が多く、比較的設備も揃っていて、実験のできる面接授業を数多くとることができました。
近隣の他大学の設備を借りて行うものもありました。

[自コース実習]
・光のスペクトルとホログラム
・実験基礎化学
・実験分析化学
加速器質量分析入門
・実験表面化学-シャボン玉
・実験で学ぶ直流と交流
・デジタル・アストロノミー入門
・さまざまな目で観る宇宙

[自コース演習]
複素数の楽しみ

[自コース講義]
・宇宙の実験科学
高エネルギー加速器素粒子実験
・宇宙農業
・宇宙の中の惑星・地球・生命
・小さな素粒子、大きな宇宙
・香りの有機化学

[そのほか面白かった科目]
・日本の印刷文化の歴史
印刷博物館での特別授業でした。
・サイエンスアート実習講座
頭骨の鉛筆デッサンをしてPhotoshopで仕上げました。私のガイコツくんかわいいでしょ?

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使える学割

Adobe CC とAppleでの購入とAmazon Prime Student(上限4年半)で優待を受けました。
映画館や美術館でも学生証提示で学生料金の適用になりました。
また、学割とは少し違うのですが、付属図書館サイトから電子ジャーナルやデータベースなどが使えます。

学生の交流

孤独だとよく言われますが、面接授業で連絡先を交換する人たちもいるようですし、学習センターにサークルのお知らせが出ているのを見かけます。SNSでつながる人たちもいるようです。
自分は面接授業で一緒になった人たちとその場で和やかに話すぐらいはできますが、基本そういうのは苦手なので、Twitterでの報告にいいねしてもらったり、人のがんばったよツイートにがんばったねのいいねするぐらいが丁度いいなあという感じです。

放送大学エキスパート(科目群履修認証制度)

取っても使える予定が思いつかない放送大学エキスパート(科目群履修認証制度)ですが、取れるというならせっかくなので、この辺を申請しました。「博物館概論」だけこのために取りましたが、他は自然に集まった単位です。

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卒業式

全国から卒業生が集まる学位記授与式とパーティーは中止になり、BSでの式の放送のみがあるそうです。更に、学習センターごとにそれぞれの判断でやったりやらなかったりになるようで、私の所属センターは、Zoomでお祝いの回をしてくれるそうです。
わーい、バーチャル卒業式だ!
学位記が届いたら、袴を着て写真撮影ぐらいはしようかなと考えています。

卒業して

とりあえず、1科目とって再入学し、来年も学籍は確保しました。学生の身分おいしいので……。
学士取得の目的は果たしたので、今後はゆるゆると、興味のある科目を補完したり、至らなかった部分を復習したりしつつ(放送大学は学籍があれば科目登録した科目以外の配信もすべて視聴できます)、ゆっくり次のことを考えるつもりです。
6年かけて無理のないスケジュールで進めたとはいえ、しばらくこちらにかかりっきりだったので、エンタメ摂取量はどうしても減りましたし、本もたくさん積んでるし、絵も描きたいしおうたも歌いたいしお家も整えたい!
少し充電して、また別の勉強をするかもしれないし、研究してみたくなったらするかもしれません。自然と環境コースで卒業研究をしなかったのは少し心残りではあります。

勤務先は学歴での待遇の変更はなく、特にキャリアチェンジなどを考えているわけでもないので、差し当たり今までと何も変わらない生活です。
今の会社には居させてもらえる限りはしがみつこうと思っていますが、万が一次に転職市場に放り出されることがあっても、今度は「仕事内容的にはできそうなのに高卒ではエントリーできない」は減るのかなあと、少し安心材料にはなりました。(これからは年齢で引っかかるのでしょうが)

学士をとった、という点では上記のとおりですが、知識を得た、という点については、この6年間で大きく変化しました。「世界の解像度が上がる」とは誰が言い出したのか存じませんが、いい表現ですよね。

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以上、放送大学体験記でした。
長々お読みくださってありがとうございました。
これから考えている方や、今がんばっているの方のお役に立てれば、また、既に卒業した方には思い返してニヤニヤできる読み物としていただけましたら幸いです。